Founder - 齋藤義美 –

私は、料理人、経営コンサルタント、経営者として、長くレストランビジネスに関わってきました。
大きく3つの関わり方をしてきたことで、業界の問題点について深く認識するにいたりました。そして、その問題解決を図りたいと考えたことが、株式会社レストランエデュケーションを設立するきっかけになっています。

 

Episode Ⅰ 料理人として

料理人時代は、自分で開業することを目標にし、技術を学ぶ日が長く続きました。修行時代は、朝5時に起きて誰よりも早く厨房に入り、たくさんの技術を学ぶ努力をしました。料理に活かすため、茶道や華道にも取り組みました。
運にも恵まれ、20代後半で茶懐石や懐石料理をて提供する料理店の料理長に就任することができました。しかし、最終的には閉店することになりした。

開業する先輩を何人も見てきましたが、現実には失敗して大きな借金を抱えることも多く、「このまま料理だけを学んで開業することにリスクはないのか」と自問自答することも増えました。また、料理長を努めたお店が閉店に向かう過程で、料理以外に貢献できることあまりに少なかったことで、自身の無力さを痛感することもありました。

開業を夢見ていましたが、多くの失敗する先輩を見て、二の足を踏む状況に陥っていたということも、多くの人に共通するのではないでしょうか。

そして、経営に関する多面的な視点を身につける必要性を感じ、料理人をやめることを決意します。

 

この経験から、レストラン経営の本質は「クオリティ(品質)」にあることは異論がないとしても、それだけではうまくいかないことが多いということを学びました。技術中心ではプロダクトアウト(自分本位のサービス提供)になりがちで、お客様が見えなくなってしまうことがあります。しかしながら、単なるマーケットイン(消費者のニーズを重視するサービス提供)では、中身が薄く、つまらないお店になります。

重要なのは、「お客様を喜ばせるために、自分の技術を最大限活かす」という経営コンセプトなのです。

 

また、10年程度の長い修業を経て開業することにも、疑問を感じています。

感性の豊かな時期は若い時期であり、年を重ねるごとに経験は豊かになりますが思考が固まります。厳しい修行を終えたかたの業態は、技術の裏付けはあるものの、同じようなコンセプトばかりでオリジナリティに欠けます。一方で、若く開業したかたのお店は、今までにないようなコンセプトで、センスの良い業態を多く見かけますが、技術力が低く中身が伴っていないことが多いです。

スポンジのように吸収できる若い時期に沢山のことを学び、若い感性を持って開業することが可能であるならば、もっと多様で中身のあるお店が増えるはずです。そして、それはレストラン業界の活性化につながると考えています。

若くして開業できるならば、たとえ失敗してしまったとしてもリカバリーが容易です。失敗を恐れずに、どんどんチャレンジすべきなのです。

 

Episode Ⅱ 経営コンサルタントとして

多面的な視点を身につけるため、経営コンサルタントを目指しました。

株式会社ベンチャー・リンクという会社に入社しました。フランチャイズビジネスの会社だったことと、経営不振により退職することになったので、あまり多くのことを学べませんでしたが、後に入社する株式会社Globridgeの創業者と出会うことができました。

その後、ホテル・旅館、外食業の企業再生を業務とするクロスワンコンサルティング株式会社に入社し、経営コンサルタントの経験を積みました。最初はカバン持ちでしたが、短期間で良質な経験を多く積ませていただいたことで、最終的にはNo.2になることができました。この時期に、中小企業診断士という国家資格も取得しました。

多くのホテル・旅館、飲食チェーンの再生コンサルティングに携わりました。業績が悪化している企業を正常体に戻すという役割ですが、経営戦略、マーケティング、財務・会計、法務、あらゆる知識が高度なレベルで求められる仕事です。

この経験から学んだことは、俯瞰して全体を見ることの大切さ、そしてファイナンス理論を知らないことが致命的な失敗につながるということです。

レストラン経営は多額の投資が伴うビジネスであるにもかかわらず、経済性について議論されないという異常な状態を目の当たりにしました。信じられないことに、事業をスタートする時点で負けが確定していることさえあるのです。

なぜ、このような状況が起きるのか。

それは、ファイナンス理論はおろか、簿記や会計学さえも学ぶ機会がないからです。教えられる人がほとんどいないといったほうが正しいかもしれません。

ファイナンス理論を学ぶことで、失敗する可能性を劇的に下げることができます。

 

Episode Ⅲ 経営者として

株式会社Globridgeでは、組織の動きを知るとともに、教育の大切さを改めて確認しました。

志(こころざし)を持って仕事に取り組むこと、大きな目標を掲げて達成に向けて邁進すること、Globridgeでは社員が日常的に行っていることです。

私は、業態改善と業態開発を主たる業務として参画しましたが、その後、経営企画室を立ち上げるなどして、会社全体を俯瞰的に見る役割に付きました。

現在も、執行役員として管理本部の責任者を担っています。

 

 

レストラン業界の未来

若くしてチャレンジでき、夢が持てるビジネスであってほしい。

そのために大切なことは、「学ぶこと」であると考えています。より良い世の中にすることも、自分の未来を切り開くにも、学ぶこと以外に方法はない。

学びの環境を身近に。レストランエデュケーションは、これをお約束します。

 

 

  Profile – 略歴 –

 齋藤義美(さいとう よしみ)

中小企業診断士、日本料理専門調理師、日本料理調理技能士、東京都ふぐ調理師

 

約10年の修行を経て、懐石料理・茶懐石の「懐石 龍舟庵(現在は閉店)」料理長に就任し、腕を振るう。

開業するも失敗する先輩を見て、技術以外にも幅広い視点で事業を捉えることの重要性を知り、経営コンサルタントになることを決意。30歳で料理人を卒業し、株式会社ベンチャー・リンクに入社し企業サポートに従事する。しかしながら、同社の業績悪化により1年未満で退社となる。

その後、企業再生コンサルティングの「クロスワンコンサルティング株式会社」の事業拡大に参画し、飲食チェーンやホテル、旅館の企業再生支援を行う。
リスケジュールから第二会社方式、本体再生方式まで、金融支援を伴う多くの案件を手掛けた。最終役職はシニア・コンサルタントで組織のNo.2。1年の引き継ぎを経て退社。

2014年に株式会社Globridge(居酒屋チェーン)に参画。業態開発本部を立ち上げ、約70店舗の業態改善を担った。現在も、執行役員として経営に携わっている。

2018年7月に、株式会社レストランエデュケーションを設立して代表取締役に就任。レストラン業界の抱える問題の解決に取り組む。